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V フォー・ヴェンデッタ
2006.05.26 *Fri
4/29(土)@渋谷東急
サッチャー政権時代の超保守政権をモデルに描かれたイギリスのコミックが原作。
2020年、第三次世界大戦後のロンドン。イギリス政府はサトラー議長の元、全体主義国家として圧政を敷いていた。秘密警察が跋扈し、盗聴、拷問、監禁と、支配のためのあらゆる施策が採られ、人々は恐怖にすくみ、ただ日々をうつろに過ごしていた。
ある日、テレビ局に勤めるイヴィーは、夜間外出禁止をかいくぐり、友人のゴードンのアパートに向かおうとするが、その途中で秘密警察に見つかってしまう。
絶体絶命かと思われたその時、彼女の前に仮面の男“V”が現れ、イヴィーを救う。
元祖テロリストとも言えるガイ・フォークスの面を着けたVは、現在の政府を倒し、国民を救うという野望をイヴィーにうち明けるのだった…。
GW初日に、全然内容も知らずに何気なく観たこの映画。妙な雰囲気に、コミックが原作かと思ったら、やはりそうでしたか。そんでもってサッチャー政権を揶揄する意向で描かれたというだけあって、遅れてきた新保守主義にまっしぐらなこの日本で、今観るのになんとタイムリーな作品かと、思わず会う人ごとに宣伝している今日この頃です。
Vの着けている仮面は、400年前の反政府主義者、ガイ・フォークスのもの。カソリックへの圧政を敷いていたジェームズ一世を暗殺しようと、反ジェームズ派が上院議事堂の地下に爆発物を仕掛けた“火薬陰謀事件”の実行責任者がガイ・フォークスで、彼の名前は英語の“guy(ナイスガイのガイね)”の由来にもなっています。イギリスでは11月5日に「ガイ・フォークス・ナイト」というお祭りが今でも盛大に行われているのだとか。
「ガイ・フォークスに政府を転覆されなくてよかった」事を祝うお祭りなんだそうですが、祭りの写真とか観ると、むしろ男気のガイ・フォークスを奉っているように見えるのが面白い。
それはともかく、映画ですが、これが実に面白かったのです。
アメリカでもイギリスでも日本でも、“常識的な一般人”を名乗りつつ国家への依存を深める人々に、引きずられるように世論が傾いでいく、そんな現在。特に、その現状に対してメディアも文化もアンチテーゼを提示できないこの国に住んでいると、テロリズム万歳ともいえるような映画を、今の時点で作ってしまう欧米の、権力に対する市民社会の底力を感じて、正直うらやましい限りです。
“建物=シンボル”を破壊すること、それは権力に対する正当な戦い方であるという思想は、もはや今の日本では死滅した考え方で、当分復活することはないでしょうね。まあそれも、与えてもらった民主主義を上手に乗りこなせなかった事から来る負の遺産てことなので、しょうがないですけど。
一見、愛と庇護をイヴィーに与えるかと思われたVが、実は彼女に与えたのは試練だった、というくだりも、意外な展開ではありますが、納得いきます。権力と戦うためには強くあらねばならないわけですから。
役者もいい。Vのヒューゴ・ウィービングは、最後まで仮面をはずさず、いっさい表情が読めないという難しい上に役者としてはあまりおいしくない(?)役をきっちり演じて、エージェント・スミスやエルロンドに並び、また一つ代表作を加えたという感じがします。
ナタリー・ポートマンも、弱々しく受け身である女性から、Vに託されて戦いを選ぶ強さを持つ人間に生まれ変わる様を好演。髪を坊主にするその熱演ぶりはさすがです。ジョン・ハートもヒトラーかチャウシェスクかという憎々しい絶対主義者を嬉しそうに演じてました。そのサトラー議長のそっくりさん役で、テレビ番組でコケにされるというシーンを嬉々としてやっていたのが印象的。
Vがフリルのエプロンを着けてお料理をしたり、イヴィーが少女のコスプレをして変態司教に迫られたりというサービスシーンもあって、そういう意味でもしゃれっ気のある映画でした。
サッチャー政権時代の超保守政権をモデルに描かれたイギリスのコミックが原作。
2020年、第三次世界大戦後のロンドン。イギリス政府はサトラー議長の元、全体主義国家として圧政を敷いていた。秘密警察が跋扈し、盗聴、拷問、監禁と、支配のためのあらゆる施策が採られ、人々は恐怖にすくみ、ただ日々をうつろに過ごしていた。
ある日、テレビ局に勤めるイヴィーは、夜間外出禁止をかいくぐり、友人のゴードンのアパートに向かおうとするが、その途中で秘密警察に見つかってしまう。
絶体絶命かと思われたその時、彼女の前に仮面の男“V”が現れ、イヴィーを救う。
元祖テロリストとも言えるガイ・フォークスの面を着けたVは、現在の政府を倒し、国民を救うという野望をイヴィーにうち明けるのだった…。
GW初日に、全然内容も知らずに何気なく観たこの映画。妙な雰囲気に、コミックが原作かと思ったら、やはりそうでしたか。そんでもってサッチャー政権を揶揄する意向で描かれたというだけあって、遅れてきた新保守主義にまっしぐらなこの日本で、今観るのになんとタイムリーな作品かと、思わず会う人ごとに宣伝している今日この頃です。
Vの着けている仮面は、400年前の反政府主義者、ガイ・フォークスのもの。カソリックへの圧政を敷いていたジェームズ一世を暗殺しようと、反ジェームズ派が上院議事堂の地下に爆発物を仕掛けた“火薬陰謀事件”の実行責任者がガイ・フォークスで、彼の名前は英語の“guy(ナイスガイのガイね)”の由来にもなっています。イギリスでは11月5日に「ガイ・フォークス・ナイト」というお祭りが今でも盛大に行われているのだとか。
「ガイ・フォークスに政府を転覆されなくてよかった」事を祝うお祭りなんだそうですが、祭りの写真とか観ると、むしろ男気のガイ・フォークスを奉っているように見えるのが面白い。
それはともかく、映画ですが、これが実に面白かったのです。
アメリカでもイギリスでも日本でも、“常識的な一般人”を名乗りつつ国家への依存を深める人々に、引きずられるように世論が傾いでいく、そんな現在。特に、その現状に対してメディアも文化もアンチテーゼを提示できないこの国に住んでいると、テロリズム万歳ともいえるような映画を、今の時点で作ってしまう欧米の、権力に対する市民社会の底力を感じて、正直うらやましい限りです。
“建物=シンボル”を破壊すること、それは権力に対する正当な戦い方であるという思想は、もはや今の日本では死滅した考え方で、当分復活することはないでしょうね。まあそれも、与えてもらった民主主義を上手に乗りこなせなかった事から来る負の遺産てことなので、しょうがないですけど。
一見、愛と庇護をイヴィーに与えるかと思われたVが、実は彼女に与えたのは試練だった、というくだりも、意外な展開ではありますが、納得いきます。権力と戦うためには強くあらねばならないわけですから。
役者もいい。Vのヒューゴ・ウィービングは、最後まで仮面をはずさず、いっさい表情が読めないという難しい上に役者としてはあまりおいしくない(?)役をきっちり演じて、エージェント・スミスやエルロンドに並び、また一つ代表作を加えたという感じがします。
ナタリー・ポートマンも、弱々しく受け身である女性から、Vに託されて戦いを選ぶ強さを持つ人間に生まれ変わる様を好演。髪を坊主にするその熱演ぶりはさすがです。ジョン・ハートもヒトラーかチャウシェスクかという憎々しい絶対主義者を嬉しそうに演じてました。そのサトラー議長のそっくりさん役で、テレビ番組でコケにされるというシーンを嬉々としてやっていたのが印象的。
Vがフリルのエプロンを着けてお料理をしたり、イヴィーが少女のコスプレをして変態司教に迫られたりというサービスシーンもあって、そういう意味でもしゃれっ気のある映画でした。
〈V for Vendetta〉
2005年/アメリカ=ドイツ/132分
配給:ワーナー・ブラザース映画
監督:ジェイムズ・マクティーグ
製作:ジョエル・シルバー グラント・ヒル
脚本:ウォシャウスキーブラザース
原作:デイビッド・ロイド&アラン・ムーア
撮影:エイドリアン・ビドル, B.S.C.
美術:オーウィン・パターソン
音楽:ダイロ・マリアネリ
出演
イヴィー: ナタリー・ポートマン
v:ヒューゴ・ウィービング
フィンチ警視:スティーブン・レイ
サトラー議長:ジョン・ハート
ゴードン:スティーブン・フライ
プロセロ:ロジャー・アラム
リリマン主教:ジョン・スタンディング
2005年/アメリカ=ドイツ/132分
配給:ワーナー・ブラザース映画
監督:ジェイムズ・マクティーグ
製作:ジョエル・シルバー グラント・ヒル
脚本:ウォシャウスキーブラザース
原作:デイビッド・ロイド&アラン・ムーア
撮影:エイドリアン・ビドル, B.S.C.
美術:オーウィン・パターソン
音楽:ダイロ・マリアネリ
出演
イヴィー: ナタリー・ポートマン
v:ヒューゴ・ウィービング
フィンチ警視:スティーブン・レイ
サトラー議長:ジョン・ハート
ゴードン:スティーブン・フライ
プロセロ:ロジャー・アラム
リリマン主教:ジョン・スタンディング
COMMENT
こんにちは♪
プリマさんの感想を読んで面白そうだったので、早速観にいってきました。すっごく面白かった!!!! もうすぐ公開が終わってしまうので、間に合ってよかったです。
舞台は近未来なのに、映画を見ているときは、鉄仮面のようなコスチューム物を見ている感覚でした。劇中の「モンテ・クリスト伯」からの連想かもしれませんけど、17世紀と19世紀末を掛け合わせたような雰囲気を味わいました。風刺たっぷりだし、ピカレスクとしても完成度が高かったように思います。あまり政治的な映画は見ない方なのですが、これは見てよかったと思いました。
舞台は近未来なのに、映画を見ているときは、鉄仮面のようなコスチューム物を見ている感覚でした。劇中の「モンテ・クリスト伯」からの連想かもしれませんけど、17世紀と19世紀末を掛け合わせたような雰囲気を味わいました。風刺たっぷりだし、ピカレスクとしても完成度が高かったように思います。あまり政治的な映画は見ない方なのですが、これは見てよかったと思いました。
2006/05/30(火) 02:10:42 | URL | 万里 #OGPSQbQg [Edit]
>万里さん
こんにちは! おおご覧になりましたか。なんとなく小難しい感想を書いてしまったのだけど、面白くて楽しい作品なんですよね。万里さんに伝わってよかったです。民衆がみんなで仮面を着けるところとか拍手したくなりませんでした?
こんにちは! おおご覧になりましたか。なんとなく小難しい感想を書いてしまったのだけど、面白くて楽しい作品なんですよね。万里さんに伝わってよかったです。民衆がみんなで仮面を着けるところとか拍手したくなりませんでした?
2006/05/30(火) 20:26:55 | URL | プリマ #njqubW3Q [Edit]
実はですね
みんなが仮面とマントをつけて行進しているシーン、感動してちょっぴりウルウルしちゃいました。自分でもビックリ。
エプロンして朝ごはん作るVとか、チャーミングでしたよね。この映画のいいところって、きちんとエンターテインメントなところだと思います。あと、Vが自分のやっていることを所詮私怨の復讐でしかない、って自覚しているところが私は好きです。でもその心境に至ったのは、イヴィーの影響なんでしょうね。
エプロンして朝ごはん作るVとか、チャーミングでしたよね。この映画のいいところって、きちんとエンターテインメントなところだと思います。あと、Vが自分のやっていることを所詮私怨の復讐でしかない、って自覚しているところが私は好きです。でもその心境に至ったのは、イヴィーの影響なんでしょうね。
2006/06/01(木) 01:16:32 | URL | 万里 #OGPSQbQg [Edit]
>万里さん
うん、わたしもうるうるしました。
そう、ホントは暴力による復讐はありかどうか、という問いかけもあるんですよね。わたしはつい肯定しているように書いてしまいましたけど。
うん、わたしもうるうるしました。
そう、ホントは暴力による復讐はありかどうか、という問いかけもあるんですよね。わたしはつい肯定しているように書いてしまいましたけど。
2006/06/01(木) 18:15:32 | URL | プリマ #njqubW3Q [Edit]
仮面と黒のTシャツと真実の行方・・・
プリマさん、はじめまして。 長文失礼します。
コミックの映画化で期待せずに見ましたが、クセは強いですがハマると楽しめますね。私は「テロ万歳」ではなく「レジスタンス映画」と捉えましたが、どちらも根っこの動機は似た物かもしれませんね。ポートマンは頭の形まで綺麗でしたね。「作家はウソで真実を語る」など、W兄弟・脚本の含みのあるセリフも印象的でした。(DVDで、Vがイヴィーに自己紹介する場面を英語字幕で観ると面白いですよ。)
近未来という設定ですが、映画の中の「情報操作」や「官製テロ」を現実と重ねると、今の時期に公開された「意味」や、製作者の本当の「意図」が感じられるかもしれません。 ディラン・エイヴリー青年(23歳)が監督し、最もポピュラーな911検証シンボル映画の「LOOSE CHANGE 2ND = ルース・チェインジ」で「9/11 Truthムーブメント」の衝撃が世界に広がっていますが、ご存知ですか? 夏完成の「LC 2ND Recut」などで、Vのように「集まろう」呼び掛けました。 「仮面」の代わりが「黒のTシャツ」です。
06年の9月11日の再調査要求・NYデモと、次の日にその様子を伝えたはずのニュース。(デモ参加者の人数の違いに着目…。) 9月11日は来年もやって来ます。
http://www.911podcasts.com/files/video/TalkingAboutaRevolution.wmv
http://www.911podcasts.com/files/video/Zahn_LC.wmv
DVDの発売前から「LC2」吹き替え版の「無料」配信が早くも開始されています。日本語版の検索語「LOOSEチェンジ」の各国での報道などは、下記BBSの11/22を。ご参考になればと。 尚、本文内容やLINK先とは利害関係はありません。
http://www.wa3w.com/911/index.html
http://bbs9.fc2.com/php/e.php/cinepro/
http://www.harmonicslife.net/gallery/main.php?g2_itemId=775
コミックの映画化で期待せずに見ましたが、クセは強いですがハマると楽しめますね。私は「テロ万歳」ではなく「レジスタンス映画」と捉えましたが、どちらも根っこの動機は似た物かもしれませんね。ポートマンは頭の形まで綺麗でしたね。「作家はウソで真実を語る」など、W兄弟・脚本の含みのあるセリフも印象的でした。(DVDで、Vがイヴィーに自己紹介する場面を英語字幕で観ると面白いですよ。)
近未来という設定ですが、映画の中の「情報操作」や「官製テロ」を現実と重ねると、今の時期に公開された「意味」や、製作者の本当の「意図」が感じられるかもしれません。 ディラン・エイヴリー青年(23歳)が監督し、最もポピュラーな911検証シンボル映画の「LOOSE CHANGE 2ND = ルース・チェインジ」で「9/11 Truthムーブメント」の衝撃が世界に広がっていますが、ご存知ですか? 夏完成の「LC 2ND Recut」などで、Vのように「集まろう」呼び掛けました。 「仮面」の代わりが「黒のTシャツ」です。
06年の9月11日の再調査要求・NYデモと、次の日にその様子を伝えたはずのニュース。(デモ参加者の人数の違いに着目…。) 9月11日は来年もやって来ます。
http://www.911podcasts.com/files/video/TalkingAboutaRevolution.wmv
http://www.911podcasts.com/files/video/Zahn_LC.wmv
DVDの発売前から「LC2」吹き替え版の「無料」配信が早くも開始されています。日本語版の検索語「LOOSEチェンジ」の各国での報道などは、下記BBSの11/22を。ご参考になればと。 尚、本文内容やLINK先とは利害関係はありません。
http://www.wa3w.com/911/index.html
http://bbs9.fc2.com/php/e.php/cinepro/
http://www.harmonicslife.net/gallery/main.php?g2_itemId=775
>W・Rさん
長文コメントどうもありがとうございます。9.11が自作自演を疑われているのは知っていますが、このフィルムの事は知りませんでした。まだ見ていませんが、時間のある時に見てみますね。教えてくださってどうもありがとう。
「テロ万歳」という書き方はわざとです。何がテロで何がレジスタンスなのか、それは誰が決めるのかという疑問は常に考えています。そこいら中で「テロとの戦い」「テロ許すまじ」とのかけ声が大きかった頃なので、敢えて「万歳」と書いてみました。
長文コメントどうもありがとうございます。9.11が自作自演を疑われているのは知っていますが、このフィルムの事は知りませんでした。まだ見ていませんが、時間のある時に見てみますね。教えてくださってどうもありがとう。
「テロ万歳」という書き方はわざとです。何がテロで何がレジスタンスなのか、それは誰が決めるのかという疑問は常に考えています。そこいら中で「テロとの戦い」「テロ許すまじ」とのかけ声が大きかった頃なので、敢えて「万歳」と書いてみました。
2006/12/11(月) 19:12:43 | URL | プリマ #njqubW3Q [Edit]
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